こんにちは、ハチノです。
わたしは5月のあいだ、毎日マーメイド(人魚)を描くイベント「MerMay 2021」に参加しました。
この記事では、参加して感じたことや得たものについてまとめています。
MerMayというイベントについては、以下の記事でも紹介しています。
参加した理由
そもそもなぜ、MerMayに参加しようと思ったか。わたしの場合はおもに、下記の3つの理由がありました。
- 絵の出力スピードを上げたい
- イベント参加による認知度アップ
- 単純にマーメイド(人魚)というモチーフが好き
ひとつずつ詳しく説明します。
絵の出力スピードを上げたい
これは、わたしが「こんなふうに描きたいな」と思ってから実際に描くまでに、とても時間を空けてしまうタイプであることが前提にあります。
アイデアを出すのは好きなのに、形を定めていく段になると、及び腰になってしまうんですね。そしてだんだん熱意がなくなって、趣味の絵だったりすると描かないままになってしまいます。
MerMayは1日1枚描くイベントなので、アイディアから描き上げるまでの時間が短いです。挑戦することで、描き上げる感覚を持ちたいと考えました。
イベント参加による認知度アップ
バズりたい!とかではなかったのですが、創作用のアカウントでの活動はまだ小規模です。イベントなどに参加して、自分の絵の露出を増やしたいと思いました。
日本から参加している人はまだ少ないようで、イベント自体を知ってもらいたいな、というのもありました。
今回イラストをアップしたのは、Twitter、Tumblr、Instagramです。
ハッシュタグも必ずつけました。
単純にマーメイド(人魚)というモチーフが好き
これは特に説明とかはありません…。
マーメイドやセイレーンのような、幻想的なキャラクターが好きです。
美しくも危険な存在であるところや、人と似つつも異なる生き方をしているところに惹かれるのかもしれません。
描いたのはストーリーボード風のひとつのお話
今回は、ひとつのお話を毎日の絵で表現しました。
ストーリーボードに興味があるので、構図はそれを意識して描きました。
ストーリーボードとは
映画などの脚本を視覚的に表現したものです。厳密には違いますが、日本で言うと絵コンテが近いです。北米のアニメーション映画のメイキングなどでよく見かけます。
意識したこと
わたしが描くうえで意識したことは、おもに次の3つです。
- 構図、イマジナリーライン
- リファレンス
- 人体描写、シルエット
構図、イマジナリーライン
三分割構図や、状況と感情のどちらを主体にするかなど、伝わりやすさを常に考えていました。
「イマジナリーライン」はこれも映画の用語で、画面内のキャラクターの位置どりに関するものです。ストーリーボード風ということで、連続して見たときに、なるべくこのラインを超えないよう意識しました。
リファレンス
背景やオブジェクトの、リファレンス(資料)の確認に時間をとりました。
19世紀ロンドンをモデルにしたかったのですが、あまり知識として持っていませんでした。もともと興味のある時代で、その頃の時代の写真が載った書籍は持っていたので、それをメインに他にも買い足したりネットで調べたりしました。
人体描写、シルエット
「キャラクターがどんな体勢をとっているか」が伝わるように意識しました。ジェスチャードローイングを続けているのもあって、それを活かせればとも思いました。
ジェスチャードローイングとは
クロッキーの一種で、モデルを見ておこなうクイックスケッチです。
見える形を正確に追いかけるのではなく、感じた印象を描き出すことが目的になります。
実際描いたもの
わたしが描いた絵は、下記のページで閲覧できます。
PDF版もBOOTHにて配布しています。
日数としては31日間でしたが、描いた数は42枚でした。
毎日マーメイドを描いて得られたもの
続けられたことによる自信
正直なところ、「2、3日に1枚描ければいいほうかな」と思っていました。inktober(インクトーバー)という毎日絵を描く似たイベントがありますが、今までそちらに参加しても、毎日描くことはできなかったからです。最後まで毎日描くことができたのは、大きな自信につながりました。
目的のひとつ、「絵の出力スピードを上げたい」も、最終的には1日に2、3枚描いていたので、スピードは上がったと思います。実際に描くスピードというよりも、構想を練る時間を短くできたのではないかと感じています。
フォロワーからの評価
もうひとつの目的、「イベント参加による認知度アップ」は、嬉しいことに思いのほか多くの評価を受けとることができました。
たまたまなのか、1日目の投稿が人気なようで、Tumblrでは1000を超えるリアクションをもらえました。(リアクションとは、Twitterでいうところの「いいね」や「リツイート」「リプライ」など、全部をまとめたものです。)
インスタグラムも、確か初日はフォロワーがいませんでした。今は40人以上の人がフォローしてくれています。
また、絵に対してコメントをもらえたのも嬉しかったです。キャラクターの表情やストーリーに関する好意的なコメントが多く、相手に伝わっているんだなと実感できました。
こういった反応をもらえたことは、そのあと描き続けるうえで、大きなモチベーションになりました。とても嬉しかったし、ありがたいことですね。
対象への興味と知識
リファレンスを求めることで、そこから広がる情報に触れることができました。
例えば、マーメイドと青年を屋上へ導きたいと思い、ビル群の写真に非常階段を探しましたが、見当たりません。調べると、19世紀には外付けの非常階段はまだ存在していなかったことを知りました。
階段がつくのは20世紀になる頃の法律によるもので、それ以前の上階からの避難には、縄ばしごを使っていたようです。隅々まで調べてはいませんが、それまで持っていなかった知識を得ることができました。
まとめ:課題と今後
今回MerMay2021に参加して、自分の描くときの進め方を意識でき、いい経験になりました。調べることで興味が広がる楽しさも、実感できました。そして発信することで、自分の絵を気に入ってくれる人と出会うことも、描き続けるために大切だと感じました。
今後の課題として以下の2つを上げて、まとめとします。
ストーリーを考えること
ストーリー仕立てではありましたが、はじめの頃は全体のストーリーは考えていませんでした。少し先までの流れを考えては描く、というのを繰り返して、なんとかまとめることができた状態です。終盤に1日の枚数が増えたのも、話をまとめるために一枚ずつでは足りなくなった、というのが実情です。
理想は開始前に、大まかなストーリーを作っておいて、細部を足していくという方法をとりたかったです。しかし、これは作画ではなくストーリーを作ることの話になるので、絵に注力するのであれば、既存のストーリーをベースにするのがよさそうです。次回はその方向で参加しようと思います。
描ききれなかったもの
構想にとどまり、描ききれなかったものも数多くあります。
意外に難しかったのが、MerMayのイベントとして描いているので、画面内にマーメイドが入っている必要がある、ということです。ストーリーを伝えるためには、マーメイドが映らない画面も入れたい時がありました。ただ、それはイベントの趣旨から外れてしまうので、今後時間をとって個人的に描きたいです。
スチームパンクなども興味があり親和性が高そうなので、パラレル設定などで描いてみたいですね。服やメカニックなデザインはあまりやったことがないので、挑戦しがいがあります。
以上、MerMay2021に参加して得られたものについて、でした。
興味のあるかたは、気軽に参加してみてください。
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